ゴムの木

今回紹介するドキュメンタリーは、車のタイヤに使われるゴムの話です。

自動車企業は、労働環境、及び環境問題について責任がある立場で、非人道的な労働環境、環境破壊に対して非常に厳しい立場を取らなくていけません。つまり、「そのようなサプライヤーとは取引をしない」ということになっておりますが、、、実際は違うという物語。

世界有数のゴム生産国であるタイ。実際のゴム農園で働く人を紹介されているのですが、なぜかタイ人ではなく、カンボジア人。なぜカンボジア人かというと、賃金がより安くすむからです。インタビューでは、1日12時間、週5日働いて、月給140ユーロと証言しており、これはタイの最低賃金(月給換算で約220ユーロ)を大きく下回っています。さらに恐ろしいのは、肝機能の低下などを引き起こすとされる農薬を防護服なしで散布しているのですが、もちろん、その農薬が有毒であることは知らされておりません。

また、採取したゴムの原料を加工する工場も紹介されるが、少し安心することにタイ人が働いておりました。ただし、やはり最低賃金以下。工場のオーナー曰く、働いている人は従業員としての扱いではなく、儲けを折半するパートナーであるという理屈とのこと。だが、どうみても普通の労働者にしか見えない。。。

他にもカンボジアの話で、先祖代々暮らしていた先住民の自然豊かな土地が、突然ゴム農園になってしまったという。何が起こったかというと、政府が勝手に先住民たちの土地を企業に売ってしまい、企業は森林を伐採し、ゴム農園してしまったということです。当然のように、行き場を失った先住民たちは、ゴム農園で働くはめになってしまったという。

ゴムにまつわる衝撃なドキュメンタリーとなっております。