ヴィルンガ国立公園

今日紹介するのは、「Virunga」。ドキュメンタリーです。

アフリカ中央に位置するコンゴ民主共和国は1世紀以上にわたり、欧州の資源企業から搾取され続けてきました。また、利権争いが絶えず、希少資源はゲリラの資金源ともなり、内戦で500万人が命を落という紛争の絶えない地域となっていきます。それでも2003年暫定政府が組織され、2006年に40年ぶりの民主的選挙が行われるなど、やっと平和を取り戻したかのようにみえました。それが、2010年にヴィルンガ国立公園のエドワード湖で石油が発見されると事態は再び一変します。

ヴィルンガ国立公園は、マウンテンゴリラ、カバなど、アフリカ随一の多様な生態系を誇る自然保護区域として、ユネスト世界遺産に登録されました。美しい自然を守るため、日々レンジャーは動物の保護、密猟の取締りなどの活動をしていますが、石油の利権争いに巻き込まれ、命を狙われ立場になります。

自然保護より、石油による莫大な利益を求めるイギリス資源会社 SOCOは多額な報酬を下請けの警備会社に払い、政府、反政府組織を買収、利権争いは紛争へと発展し、多くの人が犠牲になります。

企業の闇を暴き、石油資源が引き起こす悲劇をとらえた強烈なドキュメンタリー。ガソリン、ジェット燃料、灯油、軽油重油、LPG(液化石油ガス)、潤滑油、アスファルトなど、生活に欠かすことができない石油製品ですが、莫大な利益を巡って、多くの尊い命が失われている事実を伝える衝撃的なドキュメンタリーとなっています。見てみてください。